A型はO型より1.2倍胃がんになりやすい
たとえば2010年に発表された、スウェーデンとデンマークの合同研究があります。両国の献血者データベース(血液型が分かる)と
がん患者データベース(胃がんにかかった人が分かる)をマッチングさせたところ、A型はO型と比べて1.2倍、胃がんになるリスクが
高いことが示されました。データ解析の対象になったサンプル数は、100万人以上でした。

また2009年にアメリカの研究グループが、膵臓がんとの関係を調べた論文を発表しました。対象となったのは、
病院に勤務するナース10万7000人(男性3万人、女性7万7000人)で、1996年からの10年間、延べ93万人に達するビッグデータでした。
この研究では、O型の膵臓がんリスクを1とすると、A型1.32、AB型1.51、B型1.72という結果が得られています。
つまりB型がもっともリスクが高く、O型と比べて2倍近く膵臓がんにかかりやすいことになります。

さらに、いままでに発表された論文を総合的に評価するメタアナリシスやシステマティックレビューと呼ばれる解析方法が発展してきました。
全がんリスク(すべてのがんに対する総合的なリスク)は、O型を1とすると非O型が1.2、とくにA型(AB型を含む)では1.3以上という数字が出ています。

ただし患者が多い大腸がんや乳がんの評価がまだ固まっていないため、今後もう少し数字が上下する可能性はあります。
ただA型が全がんリスクが高いというのは、世界的にコンセンサスが得られており、今後も変わることはないでしょう。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278003?page=3