アナログレコードの人気が止まりません。インターネットの音楽配信サービスが全盛となりCDの売り上げが落ち込む中、レコードの生産額はこの10年で12倍に増えています。
高まるレコード人気で生産現場はフル稼働の状況が続いていて、以前より納品に時間がかかるケースも出てきています。

日本レコード協会によりますと、アナログレコードの生産額はCDに取って代わられる形で2010年には1億7000万円まで落ち込みましたが、
その後、新曲をレコードで発売する人気アーティストが増えたこともあって回復基調となり、去年の生産額は21億1700万円と、この10年で12倍に増えています。

ソニーグループの企業は1989年にレコードの生産事業からいったん撤退しましたが、高まる人気を背景に3年前から静岡県焼津市にある工場で
29年ぶりにレコードの生産を始めました。

ことしの受注は去年の2倍に増えたということで、8月からは土日や祝日も休まずに工場をフル稼働させ24時間体制で生産にあたっています。

また別のレコードメーカーでも工場のプレス機をフル稼働して生産にあたっていますが、高まる需要に供給が追いつかず、
これまで1か月ほどだった納品までの期間が4か月ほどかかるケースも出てきているということです。

「ソニー・ミュージックソリューションズ」の青木功雄さんは「土日も含めて3交代制で24時間フル稼働となっていて8月末からピークになっている。
生産枚数も年々増えていて大変ありがたく思っている」と話しています。

専門店 相次ぎオープン

高まる人気で、アナログレコードの専門店も相次いでオープンしています。

このうち音楽ソフト販売大手の「タワーレコード」は、ことし9月、東京 渋谷にアナログレコードの専門店をオープンしました。
店には新品や中古のアナログレコードおよそ7万枚がそろえられています。
会社によりますと全国75の店舗全体のことしのレコードの売り上げは、おととしのおよそ2倍に増えているということです。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211104/k10013334741000.html