南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島の海域で停泊を続ける中国船団をめぐり、フィリピンと
中国が非難の応酬を繰り広げている。比較的良好な両国の関係は「珍しい言葉の戦争」
(フィリピンメディア)で亀裂が入り始めた。

 フィリピン政府は3月7日、自国の排他的経済水域(EEZ)にあるサンゴ礁付近で停泊する
中国船約220隻を確認した。ロレンザーナ国防相が船団の即刻退去を求めたのに対し、
在フィリピン中国大使館は、現場海域は中国の一部だと主張し、荒天のためサンゴ礁近くに
退避しているだけだと反論。サンゴ礁付近の船団は44隻に減ったが、他の環礁や島周辺で
200隻超の船団が確認された。

 この対応にロレンザーナ氏が立腹。4月3日の声明で「出て行け」と警告した。中国大使館は同日
「理解しがたい国防相発言に留意する」との声明を発表した。(共同)
https://www.sankei.com/world/news/210405/wor2104050014-n1.html