【寄稿】韓国が「クアッド」に参加すべき四つの理由
3/21(日) 5:01
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朝鮮日報日本語版

 バイデン政権は、3月3日にホワイトハウスが発表した臨時の国家安全保障指針(Interim National Security Guidance)とトニー・ブリンケン国務長官が行った演説において、外交・安全保障政策の目標と方向をはっきりと提示した。ブリンケン長官は中国を、既存の国際秩序に挑戦する総合的国力を有する唯一の国として挙げ、米中関係を「21世紀最大の地政学的テスト」と規定した。

 バイデン政権のインド・太平洋戦略は、中国をけん制することに焦点を合わせている点ではトランプ政権時代の基調を引き継いでいる。一方、同盟体制をその中心に置いて全方位的かつ体系的に推進している点では違いが生じている。こうした戦略の核心は、韓米日の安全保障協力の強化と日本・オーストラリア・インドを糾合するクアッド(Quad)の拡大であって、これは3月17日におよそ5年ぶりに再開される韓米2プラス2会談の中心議題になるだろう。韓国がクアッドに参加するかどうかは、韓米関係の未来と東アジアにおける韓国の立ち位置に決定的な影響を及ぼす重大な事案だ。韓国がクアッドに参加すべき理由を4点に要約した。

 第一にクアッドは、インド・太平洋地域の戦略構図の再編とこれに伴う地域情勢の不確実性の中で、韓国の生存と安定を守る保険として意味がある。韓米同盟は韓国の安全保障における最大の強固な支えだが、クアッドはこれを補強する再保険の役割を果たせる。
 歴史的に、韓国に対する実存的脅威は常に域内の新興覇権勢力からもたらされた−という事実を忘却してはならない。1894年の日清戦争から太平洋戦争が終息するまで半世紀の間、アジア太平洋地域の平和を破壊して韓半島侵奪を招いた主犯が日本の覇権的野望だったように、21世紀の域内の平和と韓国の死活的利益に対する最大の脅威は、中国の覇権的野望と「中国の夢」を実現するための強圧的膨張政策からもたらされる。

 第二に、クアッドが実体を備える前に参加することで、目標や方向、原則や運営体制などを決定する過程で韓国の立場を反映しなければならない。クアッドは、3月12日の首脳会議で格上げされはしたが、いまだ中国の脅威に対する認識を共有する4カ国間の協議体にすぎず、追求すべき目標や方向もまだ原則論的な話し合いの段階にとどまっている。しかし韓国が参加するかどうかとは無関係に、インド・太平洋地域の新たな安全保障秩序樹立を主導する求心点へと発展することは明らかだ。

 韓国は、インド・太平洋地域の平和と安定に死活的利害関係を持っており、南シナ海とインド洋の海上輸送路は韓国経済の命綱だ。韓国の国運に甚大な影響を及ぼす事案が、韓国を排除した場で議論・決定される事態を放置するのは、自ら辺境へと転落して災いを招く道だ。しかも、有事の際に韓国の最大の力になってくれる国々が韓国の死活的国益と関連した議論をしている場となれば、堂々と参加して発言権を行使すべきだ。

以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa0b64600fc78cb2db979d728e721b443c7d9671