https://mainichi.jp/articles/20210218/k00/00m/040/091000c

JR西日本は18日、遮断機と警報機のない「第4種踏切」の安全対策として、手押し開扉式の「踏切ゲート」を開発したと発表した。線路を渡ろうとする通行者を一旦立ち止まらせることで、列車との接触事故を防止する狙い。遮断機などの増設に比べて設置費が安上がりで、早ければ2021年度に導入を始める。

 JR西によると、19年度で5823カ所ある同社の踏切のうち、1割弱に当たる425カ所が第4種踏切という。中国地方が計370カ所を占め、北陸地方が計27カ所、関西地方は計22カ所、三重県などに計6カ所。同社は安全性向上のため遮断機や警報機などの増設を進めてきたが、1カ所で数千万円の費用がかかる。第4種踏切自体の廃止も進め、旧国鉄分割民営化時(1987年度)から62%減らしたが、残りは利便性を維持したい沿線住民の反対などがネックになっている。

 新たな「踏切ゲート」は逆L字形で、支柱の横に張り出した棒状の発泡ウレタン製アーム(長さ約150センチ)がバネの力を利用し、回転する仕組みだ。軽量で電動車椅子などに乗りながらでも押すことができ、約10秒間開いた後に自動的に閉じるという。

自動車の通行が禁止されている330カ所の第4種踏切を対象に、設置箇所を検討していく。2月17日から山口県長門市内の山陰線で実証実験を始めており、同社鉄道本部安全指導課は「通行者を一時停止させ、左右を確認させる効果がある。第4種踏切は減らす方針だが、暫定策として期待している」と話す。

 同社の第4種踏切での列車との衝突事故は18年4月〜21年1月で計9件(死者3人)発生。内訳は自転車3件(同1人)、二輪車2件(同)、軽自動車など4件(同)。歩行者は0件だった。踏切は他に第1種(遮断機と警報機つき)と第3種(警報機のみ)がある。JR四国も同様の手押し式の遮断棒を50カ所に設置している。

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動画
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