「0」は2で割り切れるため偶数ですが、しばしば奇数や、「偶数でも奇数でもない数」と間違われます。
なぜ人々がこのような間違いをするのかを数学者のコリン・ライト氏が解説しています。

ある日、友人から「0は偶数でも奇数でもないはずだ。確かにそう習った」と言われたコリン氏は、
どれくらいの人が同じような勘違いをしているのか気になり、Twitterでアンケート調査を実施しました。
「0は次のうちどれ?」という質問に対して64.5%の人は「偶数」と正しい回答をしたものの、31.4%の人は「偶数でも奇数でもない」と回答しました。

コリン氏は多くの人々が「0は特別な数字」ということを知っていたため、このような勘違いが起きたと考えています。
また、このような勘違いが起こるのは、人々が愚かだからではなく、現状の数学教育に問題があると指摘しています。

数学は、1つ1つの理論が積み重なることで成り立っている学問であるにも関わらず、
現状の教育では、数学を「すでに決まっている真実の塊」として教える傾向にあるとのこと。
その結果、人々が数学の理論に興味を持つことはなくなってしまいます。
しかし、人々は愚かではないため、数学の理論について興味を持たせられるような教育を行えば、
数学の理論を理解することができるとコリン氏は語ります。

また、コリン氏によると、数学を教える際に何か他のものに例えて説明することは望ましくないとのこと。
確かに、他のものに例えた方が学ぶモチベーションが上がる人もいますが、
ほとんどの人には、純粋に新たな理論を知る喜びを与える方が効果的な学習につながります。

コリン氏は「0が偶数であることを知らない人は『愚かな人』ではなく、『知るチャンスを持った人』です」と締めくくっています。




「0は偶数ではない」と多くの人が信じているのは教育に問題があるという指摘
https://gigazine.net/news/20201228-0-even-education/