【与那国】「島の米がなくなる」。6月定例与那国町議会一般質問で、第1次産業の衰退を危惧する声が相次いだ。JAおきなわ与那国支店によると水稲はことし、前年比で作付面積、収穫量ともに7割減まで落ち込む見込み。
年々、米農家の離農が相次いだことで、同町の米作が瀬戸際に追い込まれている。

同支店によると水稲の収量は年々減少傾向にあり、19年作付面積は21fで収量33d。
20年は5fで10dを予定しており、面積76%減、収量70%減の計算になる。同支店水稲生産部会には7人加盟しているが、実際に活動している農家は4人という。

作付け減は大口農家の離農が原因で、農家の高齢化と後継者不足が課題に。
また、同町ではかんがい排水施設整備が不十分なため、圃田管理が天候に左右される状況から離農が進んだとも言われている。

一般質問では田里千代基、与那原繁の2氏が取り上げた。

田里氏は「20年前には年間650dほどの収穫があった。現在は10fにも満たない」と傾向を述べ、「厳しい状況にあるが、田原川に排水路(取水)を整備するよう行政が動くべきだ。目に見える形で動きを作ってほしい」と訴える。

与那原氏は「田原川水田は2割ぐらいしか植え付けされていない。ライスセンターの存続も厳しいのではないか」と指摘。
「次年度に向けて対策チームを立ち上げないと危機的状況になる」と対応を求めた。

外間守吉町長は田里氏の質問に「生産して刈り取りして農協に収めても赤字になるとの声もある」とした上で、「産業振興課、JA含め、相対的にどうしたらいいのか考えたい」と答えた。

同町の米は「与那国島産ひとめぼれ」として販売されており、約1割は地元消費されている。同町の米作は1期作のみ。

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