【ベルリン時事】
ドイツで、基本法(憲法)の差別を禁じる条文中にある「人種」という表現を削除するか、他の文言に置き換えるべきだとの議論が与野党で広がっている。
米国の黒人男性暴行死で差別への関心が高まる中、人種という概念自体が差別を助長するとの問題意識が背景にある。

問題の条文は3条3項で、性別や信仰などと共に、人種に基づく差別禁止をうたっている。
削除を提案したのは野党・緑の党。
ハーベック共同党首ら幹部2人は9日の独紙ターゲス・ツァイトゥング(電子版)への寄稿で、人種の概念は人をカテゴリー分けするもので、憲法の精神にそぐわないと主張。
「人種はない。あるのは人間だけだ」と訴えた。

憲法改正には両院で3分の2以上の同意が必要だが、与党のキリスト教民主・社会同盟や社民党の一部からも、肯定的反応がある。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061300301&;g=int