唾液のぬるぬるも再現する“舌ロボット”「Licker」 電通大が開発

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。
新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

電気通信大学の広田・野嶋研究室が開発し2019年11月に発表した「Licker」は、舐める行為に着目した、
舌の動きを模倣するロボットだ。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2004/07/l_koya_lickerrobo.jpg

舌の動きを分析し、4つの動き(前後運動、左右に振る、上下運動、横の両サイドから巻く)に分類。
これらの動きを組み合わせて、さまざまな舌の動きを再現している。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2004/07/l_koya_supposed_motion.png

システムは、舌部分と駆動部分で構成する。舌部分は、薄いプラスチックシートをシリコーンカバーで
覆うことで柔らかさを、カバーの表面には化粧水を塗ることで唾液のぬるぬる感を再現する。

駆動部分は、モーター駆動のメカニズムを使って、舌の前後左右の動きを行う。
加えて、プラスチックシートの先端にはひもを固定し、チューブを通して駆動部分のサーボモーターと接続する。
これにより、上下の動きと横の両サイドから巻く動作を行う。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2004/07/l_koya_tongue_part2.png

この舌部分と駆動部分によるシステムから、4つの動作を組み合わせた舌運動を生成し、
リアルな舌の動きと触覚を再現している。

https://shiropen.com/wp-content/uploads/2020/03/Licker.mp4

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2004/07/news092.html