https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200321-00168901/
「100日後に死ぬワニ」から考えたい「電通案件」と2015年過労自殺事件

■100日後に死ぬワニの大ヒット
きくちゆうきさんがTwitterに100日間、毎日上げ続けたワニを主人公にしたマンガ「100日後に死ぬワニ」は大きな話題になっている。

「100日後に死ぬワニ」は3月20日のワニの死の配信を最後にして、100日間続いたマンガも幕を閉じた。

マンガは100日後に死んでしまうことを知らないワニの何気なく進む日常を描いている。

そこからは多くの方が命の大切さや周囲との関係性の大切さ、日々の生活の貴重さを感じ取っていたように思う。

だからこそ、Twitter上にとどまらず、書籍化や映画化に発展するくらいの大ヒットとなったのだろう。

その一方で、ワニの死からすぐに映画化や書籍化、グッズ販売の企画が始まっており、そこに(株)電通が関わっていることも同時に話題となっている。

多くのマンガファンはこの事実を知り、落胆したり、悲嘆することとなる。 

それも当然であろう。社会は電通が引き起こした過労自殺事件を忘れていないからだ。

■(株)電通の過労自殺事件

(株)電通過労自殺事件とは何なのか。

もう一度、2015年に起こった電通社員の高橋まつりさんの過労自殺を思い出したい。

高橋まつりさんは2015年12月25日のクリスマスに命を絶った。

高橋さんの残業時間は認定されただけで、月に100時間を超え、過労死ラインを超える働き方が常態化していた。

当時、高橋さんの過労自殺を受けて、2017年1月に石井直社長は引責辞任をし、電通も労働基準法違反の罪で起訴される。

同年10月には電通に罰金刑も言い渡されたが、わずか50万円という判決に多くの人々が憤りを持ってニュースを受け止めた。

電通に入社後、月100時間を超える残業をしながら、懸命に働いていた高橋さんの日常は過去の本人Twitterからも理解できる。

まつり @matsuririri
1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな。

(以下略)