25日の米ダウ工業株30種平均は連日で大幅に下落し、前日比879ドル44セント(3.1%)安の2万7081ドル36セントで終えた。
世界でまん延する新型コロナウイルスが米国でも広がるとの懸念が強まった。
米景気と企業業績への悪影響が警戒され、銀行や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が売られた。

ダウ平均は24日にも1031ドル61セント下げており、2日間の下げ幅は1911ドル05セントとなった。
連続する2営業日の下げ幅では2018年2月2日と5日の1840ドル96セントを抜いて過去最大となった。

米疾病対策センター(CDC)は25日、米国内で感染がまん延した場合に備え、教育機関や企業に特別な対策を講じるように呼びかけた。
トランプ米大統領は25億ドル規模の緊急予算措置を議会に要請する方針を示した。
米国で感染が拡大すれば、景気や企業業績への影響は避けられないと受け止められた。

投資家の警戒感の高まりは米株の変動性指数(VIX)の上昇でも明らかだ。
別名「恐怖指数」と呼ばれ、市場心理を測る指標となるVIXは2割上昇し、一時は30台と18年12月以来の高水準をつけた。
終値でも28弱で高止まりした。同指数は20を超えると不安心理が高まった状態とされる。

個別では、新型コロナの影響で1〜3月期の売上高見通しを下方修正したクレジットカードのマスターカードが下落し、
同業のビザとアメリカン・エクスプレスが連想売りで大きく下げた。
米長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時1.31%と過去最低水準を付け、利ざや縮小観測からJPモルガン・チェースなど銀行株も売られた。

業績が景気の影響を受けやすい資本財株の下げも目立った。
航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズや機械のゼネラル・エレクトリック(GE)は5%安。
スマートフォンのアップルや、中国売上高が大きい半導体株も大幅安となった。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比255.667ポイント(2.8%)安の8965.613と、
18年12月末以来2カ月ぶりに9000を割って終えた。

米国株、ダウ879ドル安 2日間の下げ幅は1911ドルで過去最大
https://www.nikkei.com/article/DGXLASB7IAA05_W0A220C2000000/