4月24日の開業へ向け、北海道白老町で整備が進むアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」は知名度の向上が課題となっている。
国と道は年間来場者100万人の目標を掲げるが、道の認知度調査でウポポイを「知っている」と答えたのは道民で5割超、道外在住者では1割にも満たない。
鈴木直道知事も「道外では十分とは言えない」と認めざるを得ず、早くも目標達成が危ぶまれている。
 アイヌ語で「大勢で歌うこと」を意味するウポポイは昨年5月施行のアイヌ新法を受けた施設で、アイヌ文化の一大発信拠点と位置付けられている。
生活用具や工芸品などを展示する国内初の「国立アイヌ民族博物館」を中核とし、古式舞踊を鑑賞できる「国立民族共生公園」、
大学などで保管されていた遺骨を納める「慰霊施設」で構成される。
 道は昨年8月以降、道内をはじめ、東京や大阪、名古屋でイベントを開催。
アイヌにルーツを持つ俳優の宇梶剛士さんらをPR大使に起用して情報を発信し、古式舞踊の実演や工芸品の制作体験を楽しんでもらうなど周知に懸命だ。

ところが、昨年11月に18歳以上を対象にした道のインターネット調査で、ウポポイを「知っている」と回答した人は、
道民が53.6%だったのに対し、道外はわずか6.2%。PR開始直前の同8月調査と比べると、道民は18.2ポイント増だったが、道外は1ポイント増とほぼ横ばい。
道アイヌ政策課は「厳しい数字だ」と表情はさえない。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020012700123&;g=pol