“無罪請負人”の弘中惇一郎弁護士(74)と、“刑事弁護界のレジェンド”高野隆弁護士(63)。
彼らのクライアントであるカルロス・ゴーン(65)の海外逃亡は日本の刑事司法を揺るがす大失態であり、
さらには両名が責を負うべき事情もあるのだ。

 ゴーンの豊富な資金ゆえ、最強の弁護団は形成された。
そして、まるでマジックショーの瞬間移動のような日本脱出によって、両者の関係はいとも簡単に終焉を迎えた。司法記者が言う。

「その一因は、昨年12月25日に弘中さんが報道陣の囲み取材で洩らした内容にあると考えています。
我々に取材を止めてほしいという話かと思ったら、そうではない。
ゴーンを尾行する者がいるとのことで、付きまとう人物を調べた結果、『日本シークレット・サービス』なる警備会社だと判明したというのです」

 なぜそんなことを話すのか、と訝(いぶか)る報道陣を相手に、

「弘中さんは、その業者は日産が雇っていると明かしたうえで、年内に刑事告訴すると明言した。
すでにそのための委任状をゴーンからもらったとのことでした。
日産が、日産を離れた人間について何百万、何千万の費用をかけて24時間付きまとっているのは、
社会的に問題があるという点も訴えたかったのだと思います」

 刑事告訴の概要は――。罪名は、軽犯罪法違反と探偵業法違反。囲み取材の2日後の27日に告訴する。
ゴーンに付きまとう車やバイクの名義が日本シークレット・サービスだった……。
この話は、報道陣を媒介に、探偵業者や日産、警察、検察へと瞬く間に広まった。



ゴーン逃亡「弘中・高野弁護士」「保釈許可の裁判官」はどう責任取るのか
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/01160600/?all=1