用途や目的、製品化の予定、実現技術の詳細などを一切明かさない、「謎」多き新型イメージセンサーをソニーセミコンダクタソリューションズが試作し、
半導体素子の学会「65th International Electron Devices Meeting(IEDM 2019)」(2019年12月7〜11日、サンフランシスコ)で発表した(関連記事)。
有機材料の光電変換膜を利用した「3層分光」型のイメージセンサーで、「業界初」(同社)だという。

 現在のイメージセンサーでは、同一平面上にR(赤色)G(緑色)B(青色)3色のカラーフィルター(画素)を形成し、水平方向で色を分離する「Bayer(ベイヤー)」型が一般的だ。
これに対して3層分光型は、同一平面上にRGBいずれかの色を割り当てた画素を並べた層を3色分、3層積層している。
すなわち、垂直方向で色を分離している。

垂直方向にRGBを割り当てるので、Bayer型に比べて解像度を高めやすい。ベイヤー型では一般に、同一色が隣にならないようにRGBを割り当てる。
こうした配置に比べて、3層分光型の画素ピッチはおよそ半分になる。

 IEDM 2019で披露した試作品の画素数は700万で、画素ピッチは2μm。フレーム速度は60フレーム/秒とする。これらの仕様を見る限り、モバイル向けへの適用をにらんだものだとみられる。

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