公称値は309km/hも、実は298km/hが最速?

 いまやハイパフォーマンスカーの登竜門ともいえる最高速度300km/h。はじめてその領域に達したクルマのひとつがランボルギーニ「カウンタック」です。

 しかし、実際には300km/hオーバーはできなかったといわれますが、実際のところはどうだったのでしょうか。
走る伝説! ランボルギーニ「カウンタック」は本当に時速300キロも出たのか

スーパーカーといえばランボルギーニ「カウンタック」! 夢の時速300キロは出たのでしょうか。

 世界には、さまざまなにハイパフォーマンスカーがありますが、カウンタックほど「スーパーカー」という言葉が似合うクルマはありません。

 カウンタックがスーパーカーの代名詞となり得たのは、その強烈なスタイリングや官能的な音はもちろんですが、最高速300km/hオーバーという、未知の領域に迫ったことが大きな理由のひとつでしょう。

 いまでこそ4ドアサルーンやSUVでも最高速300km/hオーバーのモデルがありますが、カウンタックが登場した1970年代にはそれほどのスペックをもった市販車は、
フェラーリ「356GT4BB」以外ほぼありませんでした。

 300km/hという最高速については、そのキリの良さから現在でもハイパフォーマンスカーの基準のひとつとなっています。

 LP400には、同じくランボルギーニの名車であるミウラに搭載されていた4リッターV型12気筒エンジンが採用されており、最高出力は375馬力で、わずか5.4秒の早さで100km/hに到達するとされています。

 しかし、1978年にドイツの有名自動車雑誌「Auto, Motor und Sport」が実車を用いてテストしたところ、LP400は288km/hまでしか到達しなかったことが明らかになりました。
なお、0-100km/h加速については公称値通り5.4秒でした。

 その後カウンタックは改良を重ね、LP400の改良版である「LP400S」、4バルブの5.2リッターエンジンへと大排気量化した「5000クアトロバルボーレ」、
そして、最終型である「25thアニバーサリー」といったモデルが発表されました。

 しかし、上述の「Auto, Motor und Sport」のテストによると、最終型の25thアニバーサリーであっても、最高速度は298km/hだったといいます。

 もちろん、計測時の天候や路面状況などに左右される部分もあると思いますが、おそらく300km/hを超えることは難しかったのではないかと推測されます。
では、なぜカウンタックは300km/hオーバーというイメージが浸透したのでしょうか。 結局のところ、300km/hという数字は
、スーパーカーファンたちと自動車メディア、そしてランボルギーニが作り上げた幻想だったのかもしれません。

 現在では、優良誤認表示や虚偽記載となってしまう可能性もあるため、そういった形で夢を持たせることは現実的には難しいですが、少しだけ寂しく思うのも事実です。

 しかし、改めてランボルギーニのグローバルサイトにあるチャットボットに、カウンタックの最高速度について尋ねてみたところ、次のような返事が返ってきました。

「The top speed of Countach is more than 315 km/h.(カウンタックの最高速度は315km/h以上です)」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191128-00201684-kurumans-bus_all&;p=2