「北陸新幹線」年内に全面回復へ、JR東日本が緊急対策
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191017-00010002-newswitch-bus_all
車両浸水被害は300億円以上 北陸新幹線復旧が長期化するこれだけの事情
https://dot.asahi.com/dot/2019101700038.html

「E4系を延命させ、上越新幹線用のE7系を転用する方向で検討を進める」(JR東幹部)
JR東日本は台風19号で被災した北陸新幹線について、繁忙期となる年末までに
従来同等の輸送力回復を目指す。長野市内の車両センターが浸水し、
全編成の3分の1に相当する10編成120両が使えない状態。
運転を再開しても車両不足のために、運転本数は5―6割にとどまる見通しだ。
上越新幹線に投入済み・投入予定の同型車両を転用し、
車両検査でJR西日本の協力を仰ぐなど、緊急対策の検討に着手した。

北陸新幹線は13日早朝に発生した千曲川堤防の決壊によって、線路の一部が冠水し、
車両センターが全域で浸水した。今後、現地の本格調査を進める予定だが、
信号関係の電源装置に甚大な被害が見つかっており、運転再開まで1―2週間かかる見通しだという。

北陸新幹線ではJR東のE7系が19編成、JR西のW7系が11編成を運用中。
このうち長野車両センターで浸水したのはE7系8編成とW7系2編成だ。
詳細を調査した上での判断となるが「おそらく廃車となる可能性が高い」(JR東幹部)という。
仮に修理ができても、現地での分解や車両の陸送などに相当の時間がかかるとみられる。

E7系の新造を発注するとしても、早期に受領することは難しそうだ。
JR東子会社の総合車両製作所(横浜市金沢区、J―TREC)は19年度に投入する
E7系2編成を製作中だが、今後の要請に備えるべく、生産余力を捻出できないかの
検討に取りかかった。だが横浜事業所はフィリピン都市交通向け車両で
4―5年先まで生産計画が埋まっており、ラインの増設も難しい状況。
他のメーカーも受注残を抱え、余力が見込めないもようだ。

JR東の業績にも少なからず影響を与えそうだ。災害時に備えて損害保険に入っているが、
車両損傷の保険金はわずかという。E7系は1編成目が13年度に完成するなど、
全体の使用年数は少ない。精査は必要だが、償却期間をかなり残していることから、
廃車となれば多額の損失を計上する可能性が高い。