チーズタッカルビはもう古い? 韓国料理とチーズを組み合わせたグルメがブームになったのは記憶に新しいが、最近では飲料や和食など、
チーズが主役の新たなコラボレーションが話題を呼んでいる。どれも濃厚な味わいが魅力で、写真映えすることもあって、口コミで人気が広がっている。
「何にでもチーズ」。流行に敏感なSNS世代の合言葉になりつつある。

「インスタグラムで見て初めて来た。普通のプリンより濃厚でおいしい」。東京・高円寺に昨年8月、オープンしたカフェ「チーズ喫茶 吾輩は山羊である」で、
大学生の竹下歓奈さん(20)は笑顔でカスタードプリンをほお張っていた。

レッドチェダーやクリームチーズを惜しみなく使ったこの店の名物だが、奥深さはプリンにとどまらない。ほとんどのメニューで、
料理に合わせ国内外から集めた約20種のチーズを使い分けるこだわりぶりだ。

純喫茶のような昭和の懐かしさを感じる店内で、コーヒーに浮かぶ白い塊――。「チーズ珈琲」は意外な組み合わせで来店客の心をつかむ。
1番人気のクリームフロマージュラテ(580円)はクリームチーズと、フレッシュな味わいが特徴の「フロマージュブラン」を合わせたもの。
記者も飲んでみると、軽い酸味と甘みがカフェラテと相性が良く、食事にも合わせやすかった。

「もっとチーズを手軽に味わってほしかった」。かつてチーズを売りにしたレストランの運営に携わり、その魅力の虜(とりこ)になったオーナーの松田洋輔さん。
深夜まで営業し、午後6時からはチーズ尽くしのおつまみを提供する。

店の一押しはブルーチーズと味噌を使った焼きおにぎりだ。「味噌や酒、みりんなど和食は発酵食品を多く使う。チーズも同じ発酵食品で相性は抜群」(松田さん)。
客の8〜9割は女性で、オープンから1年で週末は1日に約100人が訪れる人気店に成長した。

お茶の上にとろみのあるホイップ状のチーズクリームをのせた台湾発祥の「チーズティー」。ポスト・タピオカドリンクとして今、若い世代の注目を集める。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49245110Q9A830C1KNTP00/