台風10号は、15日の日中に西日本に上陸する見通しです。大雨や暴風、高波に厳重な警戒が必要なことはもちろん、離れた地域での記録的な高温にも警戒が必要です。新潟県では14日に40℃を観測しています。
大雨・暴風・高波、そして高温
15日朝の雨と風の予想(ウェザーマップ)

 台風10号は、台風としての形をあまり崩すことなく、西日本を直撃しそうです。15日は、九州・四国・中国・近畿地方の広範囲で台風らしい嵐となり、
東海や関東など東日本でも局地的に雨が激しく降る所がありそうです。

 そんな中、台風から離れた新潟県高田では14日、40.3℃の気温を観測し、今年全国で一番の高温となりました。台風が南から亜熱帯の空気を引き連れてきて気温のベースが上がっていたところに、
風が山地を越えて吹き下りる際に高温となるフェーン現象が加わったためです。

 台風の接近時に、中心から離れた場所で高温が現れることは珍しくありません。過去には日本記録となったこともあります。

 1933年7月25日、山形市で40.8℃を観測。これが、2007年に熊谷(埼玉)・多治見(岐阜)で40.9℃を観測するまで74年もの間、国内最高気温の記録でした。

 40.8℃を記録したこの日は、亜熱帯の空気を南から引き連れてきた台風が日本海を北上。さらに、台風に吹き込む南風が山越えとなってフェーン現象を引き起こしたのです。

 台風が北海道へ進む17日(土)は、今度は関東地方で40℃前後の高温となる所が出てきそうです。

 台風が南から引き上げた暑い空気が残るうえ、風が西からとなるため、関東西部や北部の山地を越える際にフェーン現象が起こりやすくなるためです。

 現時点では熊谷で40℃の予想が出ており、埼玉県や群馬県など内陸を中心に40℃前後の高温となる可能性があります。

 台風と聞くと、大雨や暴風、高波など激しい現象のイメージが先行しますが、高温による災害にも気が抜けません
。お住まいの地域、お出かけ先の地域の予想気温を確認したうえで、熱中症に対する適切な備えをお願いします。https://news.yahoo.co.jp/byline/masudamasaaki/20190814-00138409/