国立感染研 「エボラ輸入」国と市合意 武蔵村山市長、安全対策を要望
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019070102000245.html
根本匠厚労相(右)に要望書を渡す藤野勝市長=1日、東京都武蔵村山市で
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致死率の高いエボラ出血熱など五種類の原因ウイルスを輸入し、
東京都武蔵村山市の国立感染症研究所(感染研)村山庁舎で保管する計画について、
藤野勝市長は一日、根本匠厚生労働相と会談し、事実上合意した。
感染研は数日中に感染症法に基づき、厚労相の輸入指定を受ける方針。
早ければ今夏にもウイルスを輸入する。

来年の東京五輪・パラリンピックを控え、海外からこれらの感染症が
持ち込まれた場合に備え、素早く正確な検査ができる態勢を整えるのが目的。
感染症が疑われる人が出た場合の診断などに役立てる。

会談は市役所であり、藤野市長は根本厚労相に、市民の安全確保を最優先に
対応することや積極的な情報開示、将来的な施設移転など五項目を要望した。

会談後、取材に応じた根本厚労相は「国民の生命と健康を守るための
検査態勢強化の大きな一歩を踏み出すことができた」と述べた。
藤野市長は「市として一定の理解を示した。検査態勢の強化はやむを得ない。
ただ、地域住民には不安の声もあり、国は説明責任を果たしてほしい」と話した。

輸入対象となるのはエボラ出血熱と南米出血熱、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱、
マールブルグ病の五種類の原因ウイルス。いずれも国内の研究機関は所有していない。

村山庁舎には、感染症法で最も危険な病原体に分類される
エボラウイルスなどを扱える国内唯一の「バイオセーフティーレベル(BSL)4」施設があり、
二〇一五年から稼働している。