都道府県の2020年度職員採用試験(大卒・大学院修了程度)の応募者数が前年度比10.8%減の
5万3369人となり、8年連続で減少したことが22日、時事通信の調査で分かった。39都道府県で
前年度を下回った。民間企業の採用意欲が依然高いことが影響したとみられる。

 減少幅が大きかったのは岩手(37.2%減)、徳島(29.0%減)、岐阜(25.8%減)など。民間の
内定時期が早まり、公務員試験との併願を考えていた学生からの応募が減ったという声があった。
他自治体との人材獲得競争が激しくなっているとの指摘も聞かれた。

 一方、民間志望者を取り込もうと、行政職で公務員試験の対策が要らない採用枠を設ける自治体が目立った。
栃木は法律や経済などの専門試験がない枠を新設。通常より前倒しで4月から選考を始める仕組みにしたところ
応募者が69.2%増と大幅に伸びた。教養、専門試験の代わりに、民間の採用選考で使用される適性検査
「SPI3」を課す枠を設けた岡山も44.0%増となった。

 人手不足が深刻な技術職を確保するため、試験内容を見直す動きも見られた。宮城は専門試験を廃止し、
福島は教養試験の出題分野と問題数を減らした。北海道は林業に携わる職員の試験を年2回に増やすなど、
受験しやすい環境づくりに力を入れた。

 近隣自治体と連携して公務員の魅力を発信する試みも広がっている。富山、石川、福井、岐阜、愛知、
三重は合同の仕事説明会を初めて開催。学生ら130人が参加し、6県の担当者がPRした。岡山も岡山市と
共同で説明会を実施した。
 1次試験は既に実施された東京や大阪などを除き、大半の自治体で23日に行われる。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062200380&;g=eco