日常生活を壊すゲーム依存が脳にもたらす影響や予防策について、最前線で治療と研究に取り組む国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長(65)に聞いた。

【画像】「ゲーム障害」の定義

−ゲーム依存が怖いのは。

 「日常生活の中心がゲームになり、現実世界がしぼんでいく。
ゲーム仲間と競争や協力をするうちに、自分の役割ができ、ゲームの中での人間関係が強くなる。
現実の生活に戻ろうとしても、勉強に付いていけず、友達もいないなど、ハードルが高すぎて簡単ではない。
さらにゲームに逃げ込むしかなくなる」

 「中高生の場合、昼夜が逆転し学校に行けなくなる。成人では高額をゲームにつぎ込む人が多い。
さらに進むと、学校や仕事をやめるなどして将来に大きな影響を及ぼす。
単なる『ゲームのやり過ぎ』で済まされる話ではない」