オンキヨー、主力ホームAV事業を米社に売却へ

 オーディオ機器大手のオンキヨーは15日、主力のホームAV事業の売却に向けて
米同業のサウンド・ユナイテッド(SU)などと協議を始めたと発表した。
具体的な売却規模については明かしていないが、最大でオンキヨーの連結売上高の7割弱が対象となる可能性がある。

 売却対象のホームAV事業には、AVレシーバーと呼ぶアンプや高級スピーカー、ミニコンポなどの主力製品を含む。
2015年に買収したパイオニアのオーディオ事業と統合した中核子会社「オンキヨー&パイオニア」などが検討対象になる。
同事業の18年3月期の売上高は346億円、営業利益は25億円だった。
オンキヨーが手掛ける3事業のなかで唯一黒字だった。

SUはAVレシーバーなど幅広くオーディオ製品を手掛ける。17年には「デノン」などの音響ブランドを持つ企業を買収するなど
有名ブランドの取り込みを進めている。
オンキヨーは今後、SUとその持ち株会社であるバイパー・ホールディングスと売却対象や譲渡額などについて詰める。

 オンキヨーは00年代にスマートフォン(スマホ)など新しい音楽プレーヤーの台頭を受けて経営が悪化した。
12年に米老舗ギターメーカー、ギブソン・ブランズと資本・業務提携を結んで経営再建を目指していた。
だが18年にギブソンが経営破綻し、中国家電大手TCL集団との提携など再建へ向け施策を模索していた。

オンキヨーは15日に予定していた19年3月期の決算発表を24日に延期すると発表した。


日本経済新聞(2019/5/15 15:01)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44820810V10C19A5000000/