先週は新元号「令和」の話題で一色だったが、韓国経済ではサムスン電子の決算という大きな動きがあった。今回は同社の危機的状況について解説したい。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

半導体特需の終了で大ピンチ。スマホ製造だけでは生き残れない…
「業績は悪い」異例の事前発表
先週の日本の報道は新元号「令和」の話題で一色だったが、韓国経済ではサムスン電子の決算という大きな動きがあった。今回はこれについて解説したい。

韓国のサムスン電子といえば、半導体特需で大儲けして、株価が2倍以上、毎回、営業利益は1兆円以上など、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。

それが昨年の秋頃から半導体需要が落ち着いてきて、半導体価格も軒並みに下落した。

しかも、売上は7兆1,000億ウォンとする市場予測よりも「さらに悪い」とサムスン電子が異例の事前発表をするぐらいだった。この時点で、7兆1,000億ウォン以下の決算ということは確定していた。

それでは、一体、サムスンの営業利益はいくらになったのだろうか。

営業利益は前年同期比60.9%減の6,090億円(2019年1月〜3月)
サムスン電子の2019年1月〜3月の営業利益は、前年同期比60.9%減の6,090億円となった。これはピーク時の1兆7,570億円と比べて3分の1程度である。

もっとも、6,090億円でも普通の大企業では届かない数値なのだが、昨年と比べると恐ろしく利益を減らしている。

これを見る限りでは、半導体の特需は終わって、適正価格から、下落へとシフトしている。

中略

DRAM製品、Amazonから「約8,000億円相当のリコール」要請
私もこの知らせを知って驚いたのだが、サムスン電子はAmazonからDRAM製品の8,000億円相当のリコール要請を受けていることがわかった。

サムスン電子は事実ではないと述べているが、協議中ということは明らかにしている。Amazonが世界最大級の半導体需要企業なのは、規模の大きさからしても言うまでもない。

実際にリコールされるかどうかはわからないが、サムスン電子の10nm(ナノメートル)後半級のDRAM製品に何かしらの問題が発生しているのは確実だ。

韓国サムスン電子、営業益6割減で窮地に。さらにAmazonから8,000億円規模のリコール要請か
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