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セーラー服の赤いスカーフが笑顔を引き立てる。城間ヨシさん(97)=那覇市=は老人ホームの慰問ショーに出演し続ける人気者で、制服姿で歌う「高校三年生」が十八番だ。「お家にいたら弱っていくだけ」とにっこり笑い、拍手がエネルギーの源だという。

 定期的に老人ホームからの依頼で、歌謡サークル「歌ごよみ」のメンバーたちと施設を訪れる。入所者が全員年下の時もある。

 「97歳の私だって毎日のように『頑張らないと』って自分に言い聞かせる。ご飯食べるときも、膝が痛いときでも。みんなを喜ばせて元気を与えたり、もらったりしたい。後ろは振り返らない」と目力たっぷりだ。

 舞台は笑いにこだわる。曲によってスーツや和服など衣装を使い分け、特にセーラー服が歓声を呼ぶ。スカートは膝丈。10代の時に着ていた本物を思い浮かべ「あの時より短いね」と振り返る。

 コンビを組む仲村須榮子さん(71)も合わせて学ラン姿に身を包む。「舞台がすごいだけじゃない。賢くて気遣いができる。みんなのアイドルであり、目標」と相棒を評する。

 趣味のカラオケが高じて始まった舞台活動。カラオケは60代からたしなみ、慰問や歌謡ショーの舞台に立ち始めたのは80代から。当初は本番前に泡盛を1杯あおって緊張をほぐしていたという。だが、これまで新宿コマ劇場やハワイなどの舞台にも立ち、経験値を上げてきた。

 今は客席の隅々にまで目を配る。「100人お客さんがいたら1人か2人、笑ってない人がいる。そりゃ、みんな(好み、事情は)さまざま。でも、全員楽しませたい」と貪欲だ。

 23日に訪れた「有料老人ホームでいご」(西平壽政代表)では「高校三年生」や「あんずの夕陽に染まる街」などを歌い上げた。

 熱心に拍手を送っていた入所者の南風原ヨシさん(87)は「10歳上なのにすごい。同じ名前だし、あやかりたい」と相好を崩した。

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