大型車の車輪が走行中に脱落する事故が増えており、後続車や歩行者への影響も大きいことから、国土交通省が運送事業者などに整備の徹底を呼び掛けています。
このような事故は「冬の寒冷地で多発」「脱落車輪は左後輪がほとんど」という特徴も明らかになっています。

左の後輪ばかりが脱落している理由
 近年発生した車輪の脱落事故は、そのほとんどが左後輪。2017年度は、左後輪が実に83%、右後輪が16%、右前輪が1%、左前輪は0件という内訳でした。

 これについて国土交通省は、「原因については引き続き調査中」としつつ、次のような可能性が考えられるとしています。

・右折時は、比較的高い速度を保ったまま旋回するため、遠心力により積み荷の荷重が左輪に大きく働く。
・左折時は、低い速度であるが、左後輪がほとんど回転しない状態で旋回するため、回転方向に対して垂直にタイヤがよじれるように力が働く。
・道路は中心部が高く作られている場合が多いことから、車両が左(路肩側)に傾き、左輪により大きな荷重がかかる。

 また、前輪タイヤの脱落が少ないことについては、異常が発生した場合にハンドルの振動などで運転手が気づきやすいためと推定。
つまり、左側の車輪は右と比べて負荷が大きく、しかも後輪は変化に気づきにくいため、左後輪の脱落につながっている可能性がある、というわけです。
北海道トラック協会も、「左前輪が走行中に音を立て、ドライバーがそれに気づき、外れる寸前で停車したという事例もあります。しかし後輪の変化はわかりづらいでしょう」といいます。

大型車のタイヤが脱落、後続車に激突も… 冬に増加の車輪脱落、「左後輪ばかり」のナゾ
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