キャンパス内を全面禁煙とするかどうかで各地の大学の対応が分かれている。全面禁煙にした結果、キャンパス周辺で学生が路上喫煙するようになったため
喫煙所を復活させた大学もあれば、禁煙を徹底するため、新入生に「たばこを吸わない」との誓約書を提出させる大学もある。学生の健康面だけでなく学校の
イメージにも関わるだけに、大学側も頭を悩ませている。

 ◆路上喫煙に苦情

 中央大(東京都八王子市)の多摩キャンパス(同)には、「喫煙コーナー」と記した立て札のある階段脇のスペースに灰皿が並ぶ。立て札には「喫煙所の閉鎖を延期します」との貼り紙がある。

 多摩キャンパスでは13か所の喫煙所を段階的に2か所に減らし、9月から全面禁煙を実施する予定だった。しかし、学生がキャンパス近くで喫煙するようになり、
住民から苦情が寄せられるようになった。中央大は「全面禁煙にすればキャンパス周辺でたばこを吸う学生がさらに増え、大学のイメージ低下を招く」(学生課)と判断し、実施を延期した。

 多摩キャンパスに通う学生は約2万人に上り、今年度の調査で学部生(1〜4年生)の喫煙率は5・6%。喫煙所でたばこを吸っていた男子学生(20)は「全面禁煙はやりすぎだ。
マナーは守らなくてはならないが、喫煙所がないのは困る」と話す。非喫煙の女子学生(21)も「トイレなどで隠れて吸われるよりは、喫煙所で吸ってもらったほうがいい」と延期に理解を示す。

 山形大(山形市)は2007年、メインキャンパスを全面禁煙にしたが、13年に喫煙所を再び設けて分煙に戻した。校門付近で喫煙する学生が目立つようになり、非喫煙の学生や
周辺住民から「たばこ臭い」「吸い殻が路上に捨てられている」との苦情が相次いだためだ。秋田大(秋田市)も13年、周辺住民から同様の指摘を受け、メインキャンパスの全面禁煙を撤回し、分煙にした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181216-00050047-yom-soci