仏政府は5日、燃料税の増税を2019年予算案から削除したと発表した。

エドゥアール・フィリップ仏首相が5日、国民議会(下院)で表明した。首相は4日、燃料税増税の6カ月延期を発表したばかりだった。

この増税をめぐっては、「ジレ・ジョーヌ」(フランス語でイエロー・ベスト、黄色いチョッキの意味)と呼ばれる抗議行動が、
3週間前から仏各地の主要都市で続いている。

フランスでは、全車両が視認性の高い蛍光黄色の服を搭載するよう法律で義務付けられている。
この黄色のベストを着た人たちが道路で抗議をしているため、抗議行動は「ジレ・ジョーヌ」と呼ばれる。

燃料税増税に反対する運動として始まった「ジレ・ジョーヌ」はこのところ、
政府に対する幅広い怒りを反映して勢いを増しており、今週末にもデモが予定されている。


フィリップ首相の一連の発言

仏政府は来年1月1日から、自動車燃料に対する炭素税と呼ばれる増税を実施予定だった。
しかしフィリップ首相は4日、これを6カ月延期すると発表していた。
増税に伴い生活水準の悪化が予想され、その緩和に向けた対策を協議するためという。

フィリップ首相はまた、この冬予定されていたガス代と電気代の引き上げを中止し、車両の排ガス試験に関する規則厳格化も延期するとも述べた。

フィリップ氏は5日、議会下院で「政府は対話の用意があり、それを示している。
この増税は2019年予算案から削除されたのもその理由だ」と語った。

エマニュエル・マクロン仏大統領はこれまで、気候変動に取り組み、国の財政赤字減少の目標を達成するため、
増税や燃料代引き上げは必要だと主張してきた。それだけに今回の延期は、政権にとっては大きな譲歩となる。




仏政府、2019年中の燃料増税見送り 抗議行動激化でさらに譲歩
http://www.bbc.com/japanese/46463588