精神科医の香山リカさんの講演が24日夜、大阪市であった。同日予定されていた京都府南丹市での子育て講演は、妨害をほのめかす電話などがあり、中止に追いこまれていた。

 香山さんは150人の参加者らに「みなさんとつながれて心強い」と話した。

 とめよう改憲! おおさかネットワーク主催の集いに登壇した香山さんは、安倍政権の支持率はなぜ高いのかを主題に語った。

 香山さんによると、出口の見えない不況などによって1990年代以降、人々は「不安」に陥った。耐えがたい目の前の現実を無かったことにしてしまう「否認」の意識も強まった。この状況下において安倍首相の言動は「ある種の癒やし」として機能しているという。
 「不安」の原因は中国や北朝鮮、憲法、護憲派などの「敵」であり、「そうやって安倍さんは次々と敵を示してくれて、『あなたは悪くない』と言ってくれる」と指摘した。

 香山さんは、ジャーナリストの矢野宏さん、阪大准教授の木戸衛一さんを交えての討論会にも参加し、憲法をめぐる問題などについて意見を交わした。

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