普段の取材中にもよく耳にする「但馬弁」。「〜しとんなる」「だしけぇ」など、兵庫県南部では聞かない言葉だ。「うみゃー」など、但馬弁の看板もあちこちで見る。せっか
く但馬にいるのだから、但馬弁を使いこなしたいが、なぜかうまくいかない。何でも「但馬弁は東京の言葉に近い」「名古屋弁と基が同じ」という説もあるとか。ほんまかいな。
但馬弁って何なんだろう。調べてみた。
神戸新聞の記事では、2002年ごろから、但馬弁について、名古屋弁に近い説や中国方言の系統説を紹介している。「〜だから」を意味する接続助詞「だしけ」も、大別して「
しけぇ」「けぇ」「さけぇ」の3種類あるとし、各地の差の大きさも調べたこともあった。中国方言と似ていることと、地域差があることがポイントのようだが、実際はどうなの
だろう。

■但馬は関西弁でない?

 まずは、専門家に聞いてみよう。方言に詳しい甲南大学(神戸市)文学部の都染直也教授(60)だ。但馬地域でも2003年に、JR山陰線など鉄道沿線で方言の違いを聞き
取り、調査結果をまとめている。

 都染教授によると、兵庫の方言はまず但馬と但馬以外に大別でき、但馬以外をさらに淡路と淡路以外に分けられるという。「但馬は兵庫県なので関西ですが、但馬弁は他地域と
違い、鳥取や岡山と同じ中国方言の流れなんです」

 但馬弁は関西弁と違い、例えば母音が連続する「赤い」という言葉は、母音が融合して「アケャー、アケー、アカー」となり、岡山や名古屋の方言に似た発音だという。ある言
葉や単語を発音するとき、どこを高く、そして低く発音するかという「アクセント」も、関西弁の「京阪式」ではなく、東京の言葉と似た特徴がある「東京式」に分類されている

https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201811/0011826493.shtml
https://i.kobe-np.co.jp/news/tajima/201811/img/b_11827150.jpg