中国からカナダの大学に派遣された多くの学者は、中国の国防研究機関の関係者であることが新しい調査で分かった。

カナダ紙「グローブ・アンド・メール」の報道によると、カナダには少なくとも9つの大学が中国軍の研究者と共同研究したことがある。
小規模なニピシング大学(Nipissing University)から、カナダを代表するウォータールー大学のような先端大学まで、大学のタイプはさまざまだった。

安全通信、衛星画像処理、無人機などの分野で、中国の国防関連の学者が、学術交流と共同研究を通じて、
大学院生や客員研究員としてカナダの大学に入っていたことが明らかになった。

オーストラリアの戦略政策研究所が最近発表した報告書によると、カナダは中国の研究者にとって世界第三位の目的地になった。
2007年以来、中国軍は2500人の軍事分野の学者とエンジニアを海外留学させている。

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興味深いことに、これらの中国人研究者の多くは、中国軍が管轄する国防科技大学に所属している。
ジョスク氏2016年の論文によると、中国政府は同大研究者の海外留学に5600万ドル(約63億円)を拠出した。

同大は留学先で「学生たちは、共産党海外支部の立ち上げに熱心だった」と宣伝していた。
ジョスク氏は報告書で、中国軍は「海外で花を採り、中国で蜂蜜を作る」戦略を取っているようだと書いた。

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カナダの大学は、外国からの学者を選別できないとし、これは政府の責務だとの認識を示している。
「グローブ・アンド・メール」の記事は、取材に応じた大学で中国からの学者について制限を設けた大学は一校もないと指摘する。

米シンクタンク、国際会計基準委員会(IASC)のリチャード・フィッシャー上級研究員は、中国共産党政権は世界各地で軍民両用技術を探していると同紙に話した。
「軍事力の現代化」の実現のため、その範囲は宇宙兵器の材料から次世代の極超音速ミサイルの技術にまで広がっているという。

軍事予算は世界2位、しかも軍事的野心を持つ中国軍とその関係者には、なお一層の厳格な審査を課すべきだと同紙は主張する。

「無防備だった」カナダの大学に送り込まれた中国軍の研究者=カナダ紙
https://www.epochtimes.jp/2018/11/37475.html