カルテ開示求めると、10万8000円も請求…やむなく支払ったが不信感
11/1(木) 12:12配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181101-00010000-yomidr-sctch

患者と情報共有、医療者の義務なのに

 カルテの開示は医療機関の義務で、患者が自分の病気や治療の情報を知る当たり前の権利だ。だが、中には高額な料金を請求する医療機関があり、開示の請求をためらわせる要因になっている。
手術死の続発が問題になった群馬大学病院が、入院患者が電子カルテを自由に閲覧できるシステムを導入するなど、一部で先進的な取り組みもあるが、患者との情報共有が進みにくい現実は今なお残っている。

 「カルテの情報は患者のもの。なぜ、こんなにお金がかかるのだろう」。大阪市の大学教授、黒坂真さん(57)は疑問を感じた。

 近くの診療所で2017年、家族のカルテ開示を求めると、約10万8000円を請求された。カルテは約30年分の400枚で、コピー代は1枚270円。カルテは障害年金の請求に必要で、やむなく支払ったが疑問はぬぐえなかった。

 市民団体「医療情報の公開・開示を求める市民の会」(大阪市)に相談した。同会が質問状を送ったところ、診療所は「コピー代を1枚20円に見直した」として、手数料1万円分を除いた約9万円を返還した。
黒坂さんは「開示を断念させるために高額な請求をしたのではないか」と不信感を抱く。