人手不足、4割の業種で過去最悪 日銀短観
2018年4月3日 20:00

人手不足が一段と深刻になっている。日銀が3日発表した全国企業短期経済観測調査(短観)の業種別計数によると
、約4割の業種で人手不足の度合いを示す指標が過去最悪となった。人手不足感が強い業種で景況感が下がる例も出てきており、今後、景気回復に悪影響を与える懸念もある。

雇用人員判断指数(DI)は雇用人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」を引いた値。低いほどその業種が人手不足に陥っていることを表す。

主要28業種のうち11業種で、統計開始以来、最低を記録した。全ての業種で最も人手不足が深刻なのは、
インバウンド需要などが堅調な宿泊・飲食サービスで、マイナス64と17年12月の前回調査から2ポイント低下した。

非製造業ではほかに、運輸・郵便が2ポイント低下のマイナス49だった。インターネット通販の普及で運送需要が拡大するなか、ドライバー不足が深刻となっている。建設業は横ばいのマイナス46と過去最低ではないものの、
バブル経済期並みの水準が続く。非製造業は人手不足が景況感の悪化につながるケースが目立ち、大企業では3業種ともに景況感を示す業況判断DIが下がった。

製造業で人手不足が深刻なのは自動車や鉄鋼、非鉄金属などだった。景気回復が戦後2番目の長さで続き、人の確保が課題となり、賃上げに取り組む企業も多いが、人手不足は解消していない。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO28940730T00C18A4EE8000?s=0