旧赤坂プリンスホテル(東京都千代田区)の跡地に建てられた複合施設の建設で、工事に携わっていた設備工事会社の男性社員(当時52)が自殺したのは
長時間労働などが原因だったとして、男性の母親が20日、東京労働局渋谷労働基準監督署に労災申請した。
 代理人弁護士が記者会見して明らかにした。代理人によると、男性は工事を施工する鹿島の1次下請け会社タニコー(東京)に勤務。2016年2月ごろから、
複合施設のホテルに調理室の設備を設置する現場の監督を1人で任されたが、4月30日から無断欠勤し、5月2日に自宅近くで自殺した状態で見つかった。
 遺族側は、亡くなる直前の3カ月間は月平均100時間超の時間外労働を強いられ、鹿島の担当者からパワーハラスメントも受けていたとして、
仕事で精神障害を発症したのが自殺の原因だと訴えている。鹿島は「詳細が分からないのでコメントできない」、タニコーは「長時間労働があったとは
認識していないが、労基署の調査には真摯(しんし)に対応する」としている。(村上晃一)

https://www.asahi.com/articles/ASL7N549YL7NULFA01L.html