被害者祖父「優しい子 怖かったろう」

 堺市で今月2日、あおり運転でバイクにわざと追突したとして警備員の中村精寛容疑者(40)=同市南区=が殺人容疑で逮捕された事件で、
死亡した大学生の高田拓海さん(22)=同市西区=の祖父弘之さん(77)が毎日新聞の取材に応じ、「孫が乱暴な運転をするはずがない」などと悲痛な思いを語った。

 事件は今月2日午後7時半ごろ、堺市南区の片側2車線の府道で起きた。大阪府警によると、中村容疑者は高田さんのバイクに
左側から追い抜かれたことに腹を立て、約1分間、約1キロにわたってクラクションやパッシングをしながら追跡。
車線変更や急接近を繰り返した末にバイクに追突し、高田さんを死亡させた疑いが持たれている。

 弘之さんによると、高田さんは小学生の頃から野球が好きで、一緒によくキャッチボールをした。中高で野球部に所属したが、
高校の時にけがで野球が続けられなくなり、マネジャーとして部員を助けたという。

 バイクが好きで、約1年前に大型二輪の免許を取得。事故にあったバイクも買ったばかりだった。

 3人きょうだいの長男で母親や妹、弟から頼りにされていた。最近では、バイク関係の会社に就職が決まり、新生活を楽しみにしていたという。

 弘之さんは目を赤くして話した。「孫は普段から運転に気をつけていた。優しい子だったので、追いかけられて怖かっただろうな。
こんな悲惨な事故は絶対に無くさないといけない」【宮川佐知子】

https://mainichi.jp/articles/20180705/k00/00e/040/286000c
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