女の子を狙った事件 なぜ繰り返されるのか 対策に課題は

14年前、岡山県津山市の住宅で、小学3年生の女の子が殺害された事件で、逮捕された男は、過去にも女の子を狙った事件を繰り返していました。

法務省は子どもに対する性犯罪やわいせつ目的の事件で服役した受刑者などの再犯防止対策を進めていますが、その効果が課題になっています。

平成16年、奈良市の小学1年生の女の子が誘拐され殺害された事件を受けて、法務省は平成18年から全国19か所の刑務所で性犯罪の再犯防止プログラムを始めました。

プログラムでは、性犯罪やわいせつ目的の事件で服役した受刑者について、再犯のリスクがどのくらいあるかなどを調査したうえで指導内容を決めます。
そして、臨床心理士などのアドバイスを受けながらグループ討議を行い、感情のコントロールや、被害者への理解を深めることなどについて改善できるよう教育を進めていて、プログラムの受講期間は最長で8か月におよびます。

しかし6年前、法務省が出所した2100人余りを対象に追跡調査したところ、プログラムを受講した受刑者の性犯罪の再犯率は、12.8%で、受講しなかった人より2ポイント余りしか低くならず効果が認められませんでした。

勝田容疑者も3年前に兵庫県姫路市で女子中学生をナイフで刺して大けがをさせた事件の裁判で「過去の事件で服役中に性犯罪の再犯防止プログラムを受講したが、
その必要性や有用性を十分に自覚することができず効果を上げるに至らなかった」と指摘されていました。

こうしたことから法務省は、専門家や精神科の医師を招いた研修を実施するなどして受刑者への指導体制を強化しているほか、今年度からはプログラムを受講できる刑務所の数を増やすなどの対策を進めています。

「再犯防止措置」 対象の9%が再び検挙
勝田州彦容疑者は、過去にも女の子を狙った事件を繰り返していて、今回の事件の4年前、平成12年には、兵庫県明石市で10歳前後の女の子数人に腹を殴る暴行を加えたり、
わいせつな行為をしたりしたとして、執行猶予が付いた有罪判決を受けていました。

(以下略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180530/k10011458581000.html