(社説)「首相案件」 加計ありきの疑念再び


国家戦略特区の制度を使った加計学園による獣医学部新設をめぐり、新たな文書が明らかになった。
さらに文書には、柳瀬氏に先立って面会した内閣府の幹部からも「要請の内容は総理官邸から聞いて(いる)」
との記載もある。

柳瀬氏は昨年夏の国会で「会った記憶がない」をくり返し、きのうも「この案件が首相案件になっているといった
具体的な話をすることはあり得ない」とのコメントを発表した。

 では、愛媛県の職員はウソを書いたというのか。間違っているのは記録か、記憶か。
関係するすべての人を国会に呼んで、話を聞かねばなるまい。

昨年6月、文部科学省で「総理のご意向」などと書いた文書が見つかり、首相の盟友が学園の理事長をしている
ので特別扱いをしたのではないか、との疑いがもちあがった。
秘書官がその1年半以上も前に「首相案件」と認識し、助言までしたとすれば、首相らの主張には大きな疑問符がつく。

これ以上、この国の民主主義を壊してはならない。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13445004.html?ref=editorial_backnumber