北朝鮮の最高人民会議の代表が、スイスで開かれている国際会議で演説し、ことし5月までに
開かれる見通しの米朝首脳会談を控えて、アメリカのトランプ政権に対し、制裁をやめて
対北朝鮮政策を転換するよう求めました。

世界178の国と地域の議会で構成するIPU=列国議会同盟は、今月24日から5日間の日程で、
スイスのジュネーブで会議を開いていて、北朝鮮からは、最高人民会議のリ・ジョンヒョク議員を
はじめ4人の代表団が出席しています。

会議では26日、リ議員が演説し、この中でキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が
今月5日に韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領の特使と会談したことなどに触れながら、
「南北関係の改善や、朝鮮半島の平和と安定に向けた努力は、国際社会から幅広い支持と
前向きな反応を得ている」と自賛しました。

そのうえで、「いまこそ、アメリカの北朝鮮に対する時代錯誤な敵視政策を終わらせ、無益な制裁と
圧力をやめる時だ」と主張し、ことし5月までに開かれる見通しの、史上初の米朝首脳会談を
控えて、アメリカのトランプ政権に対し、制裁をやめて対北朝鮮政策を転換するよう求めました。

ただ、米朝首脳会談についての言及はありませんでした。一方、リ議員は、北朝鮮の友好国である
シリアやモンゴルなどの代表団と個別に会談したほか、韓国の議員から声をかけられて
贈り物を手渡される場面も見られ、南北の融和ムードを印象づけていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180327/k10011379921000.html