伊達市有珠地区で2月下旬から、ニシンが急に取れ出している。同地区の漁獲量は昨年度1年間で19キロだけだったが、
今年は3月14日まで20日間で約930キロにも上り、ニシンの産卵による群来(くき)の目撃情報もある。
胆振管内の噴火湾でまとまった量のニシンが水揚げされるのは16年ぶりで、有珠の浜は活気づいている。

13日午前8時、市向有珠町の漁師藤野政明さん(74)の作業所では、藤野さんら7人が卵や白子が入った
体長30センチ以上のニシンを網から外す作業に追われていた。有珠海水浴場の沖約100メートルに仕掛けた
網にかかったニシンは100キロ近く。

藤野さんは「昨年まで2、3匹入る程度だったのに、今年は突然取れ出した。奇跡だ」と驚く。

いぶり噴火湾漁協有珠支所によると、ニシン漁を行い、同支所の水産物荷捌(にさばき)所に出荷するのは
藤野さんら漁師3人だけだが、2月23日から連日水揚げが続く。噴火湾の他の地区にもニシンが岸寄り
している可能性はあるが「他の地区で使っている網ではニシンがかからないのかもしれない」(同支所)という。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/172456