上司の発言は間違いだらけ どう指摘すれば?

以下は読者のコルトンから寄せられた便りと、私からの回答だ。

私は新たな上司、トニーの下で働くようになりました。悪い人ではないのですが、会議で偽りの情報をまくし立てて
乗り切ることに慣れているようで、不正確な発言が多いです。

彼が事実と違うことを言っても私は沈黙を保とうと努めてきました。トニーは大半のマネジャーと比べて技術的知識に
乏しく、私を含む直属の部下と比べるとはるかに知識不足です。彼の発言を訂正すると、にらまれてしまいます。

トニーがばかげた発言をしても黙っていると、会議室の半数が「トニーは今、一体何と言った?」という表情で私の方を
向くので、丁寧に「X-28製品ではなく、X-27のことではないでしょうか」と言うと、彼は言い訳がましく
「君からそう聞いたんだが」と言い返してきます。

私が会議で訂正せず、トニーに間違ったことを3、4回言わせてしまうと、後でひどく腹を立て「私が言葉が出ずに
口ごもっていたとき、なぜ何も言わなかったんだ」と言われます。言葉が出ずに口ごもるというより、彼は口から
出任せばかりなのです。

彼は恐らく、この会社の従業員のような人たちと働いたことがないのでしょう。私の会社では口だけでまかり通ることはなく、
誰もが事実に基づいて話します。これこそ、私がこの会社を好きな理由です。

(略)

私はどうすべきでしょうか?


コルトンへ
トニーのような上司をうまく扱うには、感情的にならず、大騒ぎしないことが重要だ。

(略)

論理と健全なコミュニケーションを維持し、トニーが間違ったときだけ訂正する。尊敬する人が誤った発言をしたとき、
丁寧に訂正するのと同じ要領だ。

ここではその会話例を2つ挙げる。次の例は、あなたが母とおばと美術館を訪れたときを想像して読んでほしい。

母:古典の巨匠から始めて、それから現代美術に移動しない?
おば:私のお気に入りの画家はクロード・モーネットなの!
あなた:私もモネの大ファンです。この美術館にはモネの作品が4つありますよ。
おば:訂正してくれてありがとう。全く私ったら、とんだ世間知らずで……。
あなた:そんなことないよ、おばさん! まずはクロークに傘を預けよう。

トニーが間違ったときは、美術館でおばの誤りを直したように、恐れず勇敢に訂正する。

(略)

次の例は、質問を通してトニーを正しい情報へと誘導する方法だ。

トニー:次の四半期の売り上げ目標を達成するには、X-27製品の発売日を変えなければならないな。
あなた:そうですね、でもちょっと待ってください。X-28製品のことではないですか? もしかしたら私が混乱してるのかも。
同僚:合ってますよ。X-28です。

(略)

ほほ笑みを浮かべて一息つき「すみませんが、〇〇のことではないでしょうか」と言おう。しかめっ面を向けられても
無視すること。あなたはトニーの子分ではなく、技術を備えた専門家なのだ。

https://news.biglobe.ne.jp/economy/0314/fbj_180314_8223538724.html