http://www.sankei.com/column/news/180305/clm1803050005-n1.html

 韓国が慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった日韓合意をないがしろにし、再びゴールポストを動かそうとし始めたことに対し、
日本政府内では「けしからん」との声が飛び交っている。その中で、ある外務省幹部がこう述べているのが目についた。

 「韓国は、日本がどれだけ不快に思っているかを理解していないのが問題だ」

 別の外務省幹部は以前、「韓国に日本政府は怒っているといくら言っても、なかなか伝わらない」と嘆いていた。これは、彼我の文化の違いがあるのだろう。

 月刊『正論』3月号で、麗澤大の西岡力客員教授と対談した際に、西岡氏が次のように強調していたのが印象深い。

 「日本人は100のことを言いたい場合は50のことを言う。相手が50のことを話したら『本当は100、言いたいのだな』と忖度(そんたく)するわけです。
でも、韓国人は逆なのです。韓国人は100のことを伝えたいときに200を言います。相手が200を言ったらそれを100と受け止める」

 つまり、日本が100の怒りを50の表現で訴えても、韓国にはその半分の25程度だと受け取られてしまうのである。

 安倍晋三首相や菅義偉官房長官が日韓合意について、「1ミリたりとも動かす考えはない」と述べていることに対し、朝日新聞などは「建設的ではない」と批判していたが、韓国のあり方、習性がまるで分かっていないことになる。

 この点について西岡氏は対談で、こう指摘している。

 「安倍政権が今回『1ミリも動かさない』と言い続けたので、ガチガチの反日である文在寅(ムン・ジェイン)政権でさえ、外交問題にはしない、
合意を破棄しないと言わざるを得なかった。(中略)韓国側は今回『合意を破棄しない。日本に交渉を求めない』と明言していますが、かつてそんなことを言ったことはありませんでした」

 西岡氏は「実は現在、河野談話や村山談話で謝罪したときよりも日韓関係は改善されている」とも語っていた。逆説的だが、日韓関係の正常化という意味ではその通りなのだろう。

 韓国は、歴史問題で飽くことなく日本を責め立てる一方で、朝鮮戦争に参戦して半島を蹂躙(じゅうりん)した中国は非難しない。

 国際的に定着していた「日本海」の呼称を否定し、国際社会に「東海」を強要する半面、中国大陸との間に位置する「黄海」に関しては、
自分たちが使用する「西海」表記を訴えない。
http://www.sankei.com/column/news/180305/clm1803050005-n2.html