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 佐賀大と佐賀自然史研究会は、佐賀県唐津市の山中で生きているムササビを確認したと発表した。

 生息地が特定できる形での確認は県内では初めてで、九州北西部では1968年に長崎県で見つかって以来47年ぶりという。

 調査した同大農学部の徳田誠准教授(生態学)によると、ムササビは夜行性で、樹木の上などに生息する日本固有種。
本州や四国、九州に分布している。体長約40センチで、30センチほどの尾があり、前脚と後ろ脚の間に滑空するための「飛膜」を持つ。

 唐津市で確認されたのは2015年8月14日午前4時30分頃。
同市の八幡岳(764メートル)の約450メートル付近に設置した赤外線カメラに、木に登ったアライグマと、逃げるムササビが撮影されていた。
ムササビは木から落ちるような状態で映っており、体長や飛膜などから特定したという。

 今回の調査結果は昨年末発行された学術誌に掲載された。徳田准教授は「これまで確認できたのは1匹。生態や別の個体の有無などを把握するため、今後も調査を続け、保護につなげたい」としている。

 ムササビは、福岡県西部や長崎県を含む九州北西部では極めて記録が少なく、佐賀県では「情報不足種」、長崎県では「絶滅危惧1A類」に指定されている。