【鉄則1】部下の育成より、任せた仕事の完遂を最優先に
 リーダーに求められているのは、「任された(期待された)成果を出すこと」である。そして、その目的である成果を出し続けるために、部下を育成するという手段を講じる。あくまで部下育成は成果を
あげるための手段であって、目的ではない。
 冷静にその部下の能力・経験レベルを見極め、それに合った、あるいはそれよりも低いレベルの仕事を任せるのが原則となる。部下の成長を願い、成果が出るまで我慢して使い続けることが
できるのが理想だが、リーダーの心と予算に余裕がなければ、リーダー自身が疲弊してしまう。
 仕事の任せ方としては、チャレンジ要素を排除し、「確実に」できるレベルの仕事を与えることになる。それがたとえ、組織内における位置づけと比べて小さな仕事であったとしてもだ。
 そしてもうひとつ大事なのが、レベルに合った仕事を任せていることを、はっきりと本人に伝えることだ。もし困った部下が「主任」という立場だとすると、主任に求められる仕事や業務目標を与え、
その働きぶりを評価する。これが一般的な人事評価制度だ。だが、明らかに主任としての役割を果たすことができないのであれば、できる(できそう)な仕事を与えなければ、組織全体の労働生産性が落ちてしまう。
 つまりリーダーには、余計な管理工数(頻繁な仕事のチェックや指導)がかかり、部下本人には余計な工数(できない業務に取り組むことによる無駄な努力)が発生するばかりか、
リーダーが負わなければならない(失敗の)リスクが増大する。

https://www.sankeibiz.jp/econome/news/171210/ecd1712101310004-n1.htm