腫瘍により足を切断、異常出血で子宮摘出、抜ける毛髪……トモダチ作戦で被曝した米兵たちの裁判
http://bunshun.jp/articles/-/4894

▼〈9人も死んでしまった…トモダチ作戦で頑張ってくれた若き米兵らが 原発事故の放射能で被曝し健康を害したとして
400人超が裁判を起こしている事をあなたは知っていますか?〉10月8日、日本テレビ「NNNドキュメント」

 私は労働問題を専門とし、ブラック企業や過労死の問題に取り組んできた。その中で、私がいつも思うことは「経済活動」
はどこまで人間を犠牲にすることが許されるのか? という問いである。

 原発賠償の問題は、そうした労働問題と同じように、原子力発電という私企業の経済活動が、個々人に与えた被害であり、
実際に、労働の分野では以前から「被曝労働」が問題となってきた。

 複雑な原発を維持し続けるためには、炉心の真下に人が入っての点検や、隅々までの清掃作業が求められる。
驚く方も多いかもしれないが、最新鋭の原発も、人力の雑巾がけで清掃が行われているのが実態なのだ(その人員はスラムから
日雇いで集められる)。そうした「被曝労働」によって多くの癌・白血病が発症してきたのだが、それが「労働災害」と
認められるまでには多大な裁判闘争を必要とした。そして今日、原発避難者の被害を中心として、「経済被害」を社会的に
問う新しい裁判が続けられている。

そんな中で、本作は日本でほとんど顧みられることのない「トモダチ作戦」に参加した若い米兵たちの被曝被害に焦点を当てている。
「トモダチ作戦」に当たった兵士たちは、メルトダウンの危険が迫る中(それは日本国内でも知らされていなかった)、
全速力で被災地に向かった。米兵の被曝は震災後比較的早い段階から問題にされてはいたが、その後の実態はほとんど日本では
問題にされていない。