過熱した報道が影響を与えている

8月にグアムを訪れた日本人来島者数は6.8万人(同13.9%減)と大幅に減少。比較予約サイト「トラベルコ」を運営する
オープンドアが毎月発表している海外ツアー検索人気ランキングによれば、この9月にグアムは第3位(前年同月は2位)
に後退、8月対比では検索数が25%減ったという。

ただ、現地でニッコーやハイアットリージェンシー、ヒルトンなど有名ブランドのホテル5軒を所有・運営する最大手ホテル
運営会社のケン不動産リースによれば「運営するホテルにおいては特段大きな影響は出ていない。現地に特段変わった
様子は見られず、地元への混乱はないという見解」(会社側)。

日本における出先機関のグアム政府観光局も「グアム政府と観光局は平和な日常が続いていることを声明文や記者会見
などを通して発表しているが、日本において浸透しているとはいえず、加熱した報道が一般の方々に与えている影響のほうが
大きい」と困惑ぎみだ。

実際に8月の来島者数総数で見ると、前年をやや下回ったものの8月としては史上2番目の14.3万人(前年同月比0.7%減)を記録。
国別で見ると大幅に増えたのは、日本よりも北朝鮮に近い韓国人だった。韓国からの8月の来島者数は5.8万人と、
前年同月より24.5%も増えた。

韓国では6社目となるLCCのエアソウルが9月中旬にグアムに就航。時期にもよるが、もはや大手航空券の予約サイトでは、
東京からの直行便が約6万円なのに対して、日本から韓国を経由してグアムに向かう場合は3〜4万円台のケースもある。

こうした韓国の旺盛な旅行需要を取り込み、グアム全体の来島者数は2017年1〜8月で105万人(前年同期比4%増)と
過去最高を記録している。同期間に日本人の来島者数が44.8万人(前年同期比10%減)だったのに対し、韓国は43.8万人
(同25.7%増)。このまま行けば、通年でついに韓国が上回りそうだ。

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http://toyokeizai.net/articles/-/193089