■浅田均氏 希望者は進学を可能に

 −−大学教育を無償化する意義は

 「日本維新の会は『自立する個人』という理念を掲げている。その実現には教育の機会平等が必要だ。人こそ国力の源泉であって、経済的理由により進学を断念するようなことはあってはならない」

 −−給付型奨学金の拡充で機会の平等を目指す動きもある

 「大学だけでなく完全教育無償化にいたる前段階として、給付型奨学金を導入することはありだ」

 −−維新は憲法を改正して教育無償化を実現する考えだが、法律改正と予算措置でできるのでは

 「確かにできる。しかし法律だけでは政権が代わったとき、有償に戻る可能性もある。憲法で教育無償化をうたえば国に義務が生じる。国民の権利として保障するため改憲を訴えている」

 −−巨額の財源も必要になる

 「わが党の試算では、大学無償化により2兆6千億円が必要になる。国会議員の定数や議員報酬を削減したり、国家公務員の人件費や独立行政法人へ
の運営交付金を見直したりする『身を切る改革』をすべきだ。大企業の内部留保に課税することも考えられる」

 −−それでまかなえるか

 「民主党政権は特別会計の見直しなどで『20兆円出てくる』と言ったが、遠く及ばなかった。同じ轍(てつ)を踏まないよう確実なところで計算している」

 −−国会議員も身を切る改革を率先すべきではないか

 「国会議員は自分に甘い。しかしこれからの人口減少に伴い、国においても小さな行政機構をつくるなど行政改革は絶対に必要になる。国会議員が先頭に立って、改革に取り組む姿勢を示すことが何より重要だ」

 −−財源として教育国債も議論されている

 「借金は将来への負担の先送りだ。現役世代を応援する維新の考え方からは外れる」

 −−無償化にあたり、進学希望者の世帯所得に応じて線引きするのか

 「一定の所得がある世帯とそうではない世帯を同等に扱うべきではない。所得制限はつけるが、具体的には制度設計の段階で考えたい」

 −−進学希望者の成績で振り分けることは

 「いや、進学したい人は誰でも進学できるようにしたい。そのために大学だけではなく、専門学校も無償化の適用対象にすべきだ」

 −−教育の質を確保する上で必要なことは

 「大学も自助努力が必要だ。例えば進学希望者にバウチャー(クーポン券)を配り、選択してもらうことで大学の淘汰(とうた)が進む
。将来の日本で優秀な人材を生み出すとともに、競争力のある大学に再編したい」

 〈あさだ・ひとし〉昭和25年、大阪府出身。66歳。米スタンフォード大院修士課程修了後、経済協力開発機構(OECD)勤務を経て平成22年、
大阪維新の会を結党。府議会議長などを歴任、28年の参院選で初当選。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171014-00000525-san-pol