「ジュリー」沢田研二75歳はなぜ今も最高のロックンロールスターなのか ”声の持久力”に評論家は着目【千秋楽レポ】
11/27(月) 11:32 AERA dot.
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ソロ公演で歌う沢田研二さん=2013年1月6日、東京都渋谷区の渋谷公会堂
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 沢田研二の今年のツアーが11月23日、ファイナルを迎えた。そのライブレポートをお届けする。なぜ、いま沢田研二なのか。それは毎年のように新曲を出し、ライブを続け、ジュリーは今を生きる現役のスターだからだ。ライブ会場には60代以上のみならず、YouTubeなどの動画がきっかけのZ世代のファンもいる。75歳を超えてなお走り続ける「日本最高で最年長のロックスター」は、今回も圧巻のステージで会場を沸かせた。

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 2時間のステージが終わり、会場に満ちていたのは幸福感だった。11月23日、東京国際フォーラム。「沢田研二 LIVE 2022-2023『まだまだ一生懸命 PART2』」が、終幕した。

 6月25日のバースデーライブをザ・タイガースのメンバー再結集で果たし、9月から神戸、名古屋、大阪と続いた「PART2」のファイナル公演だった。

 結論から言いたい。

 ジュリーの「一生懸命」は、まだまだ、ずっと続く。デビュー当時の歌を原曲キーで披露し、ステージを右に左に走り回りながら全20曲を歌いぬく75歳なんて、世界でも稀だろう。

(※中略)

■音楽評論家は“声の持久力”に着目

「沢田研二は本当に恵まれた音楽家だと思う」

 音楽評論家のスージー鈴木さんは話す。

 この日のライブのアンコールは、アカペラで披露された「河内音頭」の後、ザ・タイガースの「花の首飾り」(68年)、「君だけに愛を」(同)と続き、ザ・ローリング・ストーンズのカバー曲「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」、「サティスファクション」で終演となった。

「沢田研二という人は数え切れないヒット曲を持ち、毎年のように新曲を作り、ライブを続けてきた。トラブルがあっても変わらずファンがついてきてリベンジも果たし、バンド時代のカバー曲で今のライブを締められるなんて、誰もができることじゃないですよ。仲間もきっと、沢田さんが好きだから支えてきたんだろうと感じます」(鈴木さん)

さらに音楽的に高く評価するのは、「無理のない発声」という。

「原曲のキーで数時間でも歌いきることのできる“声の持久力”を長い時間をかけて培われたんでしょう。柴山和彦さんのエレキギター1本だけがバックという超シンプル編成で回った2018年からの『OLD GUYS ROCK』ツアーで、さらに表現力を鍛えただろうことは間違いない」(同)。

 18歳でデビューして来年2月で57年になる。どの時代も同調圧力に屈せず、己を貫き、支えてくれる仲間がいて、新たなファンも獲得する。スージー鈴木さんはジュリーを「日本最高・最強かつ、最年長のロックンロールスター」と評した。

■「近くて見てごらんなさい。スターの顔ですよ」

 盟友・岸部一徳は、今年6月にBS−TBSで放送された「沢田研二 華麗なる世界」で、ジュリーの来し方を振り返り「僕流に言えば『ジュリーに負けなかった沢田研二』」と話した。 

 TBSのドラマプロデューサーだった龍至政美さんが「ビスコンティの幽暗な闇の中にほの見える美少年のように完璧に美しかった」と、雑誌の寄稿で表現したように、往時のジュリーは昭和の成熟した男性さえ惑わした。その美貌ゆえに、自然に歳を重ねてきた変化を揶揄する声もなくならない。そんな人たちには、筆者が今年4月にインタビューした際、岸部さんが静かにつぶやいた言葉を贈りたい。

「みんな沢田を太ったとかなんとか言うけどね。近くで見てごらんなさい。まぎれもないスターの顔ですよ」

(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)

(渡部 薫)