今井美樹、高畑勲アニメの舞台ウラ語る ヒロイン役は「大きな口と筋肉で選ばれた(笑)」
9/19(月) 16:10 ENCOUNT
https://news.yahoo.co.jp/articles/d830f732e9333f518b10df95d30b77a67f7a0cf0
佐藤広一監督(左)と今井美樹【写真:田村充】
https://encount.press/wp-content/uploads/2022/09/17132043/1715b56d1e436b3c66e5cf83646cb832.jpg


◆映画「紅花の守人 いのちを染める」でナレーション「まずはマイクを通販でポチった」

 映画「紅花の守人(もりびと) いのちを染める」(佐藤広一監督、公開中)でナレーションを務めた歌手・女優の今井美樹(59)。公開初日には舞台あいさつにも立ったが、何十年ぶりの体験に緊張したそう。10年にも及ぶロンドン暮らしを続ける今井が、山形の伝統的な紅花をテーマにしたドキュメンタリーに声を吹き込んだワケは?(取材・文=平辻哲也)

 本作は、中近東からシルクロードを経て中国に渡り、日本に伝わった紅花(べにばな)文化を守り継ぐ人々の姿を4年の歳月をかけて記録したドキュメンタリー。今井は、紅花を題材にした高畑勲監督のアニメ映画「おもひでぽろぽろ」(1991年)でヒロイン・タエ子役を務めたことから白羽の矢が立った。

 オファーが来たのは2021年秋、コロナ禍のロンドン。帰国しての収録はできない状況だったので自宅での収録となった。

(※中略)

 今井のナレーションは好評だ。自然に耳に溶け込んでくるし、「おもひでぽろぽろ」のタエ子が語りかけてくるようでもある。

「ドキュメンタリーには、真実の一番の力があるわけですから、私の声が邪魔したくなかったんです。風のように、あって当たり前に流れていってくれればいいなと思っていました。こういう形で関わったお仕事は初めてでしたが、新しい時代に新たな発想ややり方がどんどん出てくるのは必然だと思っているので、今回はこのタイミングで新しいトライアルができてよかったです。こういうのって、本当にタイミングなんですよね」

◆「おもひでぽろぽろ」当時を振り返る 高畑監督は「諦めない。こだわる」

 きっかけとなった故・高畑勲監督による「おもひでぽろぽろ」は30年以上前のアニメになる。27歳のOL(今井)が、山形県の紅花農家で過ごした小学5年の夏を思い出すというストーリー。この作品も今井ありきで始まった企画だった。高畑監督は先に声優の声を録音し、作画を制作する「プレスコアリング」(通称・プレスコ)という手法を取っている。

「(相手役の)柳葉敏郎さんと対面の状態でかけ合っていく形で録ったのですが、山形の景色や私や柳葉さんの人物像を描いた鉛筆画が3Dになっていて、びっくりしました。筋肉や顔の立体感も出すということで、顔の線や筋肉の動きが入っている。『ジブリの作品はかわいいのに、こんな可愛くないのが出てきて、平気ですか』(笑)っていう感じだったんですが、監督は、『今回は3Dの立体感でやりたいから、それが特徴的な人を選びたいと思っていて、今井さんがぴったりだ』と言われたんです。きっと笑った時の印象が大きく変わるということが必要だったんですね。私は大きな口と筋肉で選ばれたんですね(笑)」

 高畑監督の演出や人柄はどうだったのか。

「その時しかお会いしていませんけど、穏やかで冷静で、非常に的確だったんですよね。だから、何を欲しているかが素直に入ってくる。そして、諦めない。こだわる。うまくいかない時もあったんですが、柔和な顔でOKが出るまで待ってくださいました。(初日にあたって『おもひでぽろぽろ』の)メイキングも初めて見たんですが、大変な作業だったんだな、と。私は制作の最初の頃に参加しただけでしたが、ご一緒できたことは光栄だと改めて思いました」

(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)