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ご意見番だと誰も思っていない――。

 批判の声が強まっているのが、TBS系ワイドショー番組「サンデーモーニング」にレギュラー出演している野球評論家の張本勲氏だ。張本氏は8日に生放送された同番組で、東京五輪ボクシング女子フェザー級の入江聖奈選手が金メダルを獲得したことについて、「女性でも殴り合い好きな人、いるんだね。見ててどうするのかな。嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技好きな人、いるんだ」などと発言していた。

日本ボクシング連盟の内田貞信会長は「ボクシングを愛している方々のために、女性のボクサーのためにも誤解されたくない」と抗議文を提出。TBSが同連盟宛てに謝罪文を送った。

だが、その後の対応が火に油を注ぐ形になった。ボクシング連盟が公表した文書などによると、TBSは「張本氏の発言は、オリンピック女子ボクシングフェザー級の入江聖奈選手が金メダルを獲得したことについて、日本中が沸き立つ快挙であり、この目覚ましい成果に対し『あっぱれ』との賛辞を贈り、称賛することが本意でした。しかしながら、張本氏の発言の中には、ご指摘のように『女性及びボクシング競技を蔑視した』と受け取られかねない部分があり、これについては本来であれば番組内で対応すべきでした。当番組として、不快に思われたボクシング関係者や視聴者の皆さまに誠に申し訳なく存じます」と謝罪。

 張本氏のコメントとして、「私は元々ボクシングが大好きで、白井義男さんやファイティング原田さんが世界チャンピオンになった時に、飛び上がって喜びました。今回、入江選手が金メダルを取った時も、飛び上がって喜んでいました。今回の私の発言は言葉が足りませんでした。入江選手の快挙を称えると共に、自分も金メダルを取れるのではと思って、ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省しています」と記されていたという。

 だが、SNS、ネット上では張本氏のコメントに批判が殺到。「言葉が足りなかったんじゃなくて、一言二言多かったのが問題なんだと思うんですが。なんか最近のいろいろな謝罪を見てると素直にしっかりと非を認めて謝ってることが少ないですね。どうしても言い訳がましくなるというか。」「あまりにも見苦しい言い訳。なぜ素直に非を認められないのだろう」「いやいや、言葉足らずって。これ以上ないくらいはっきりと自分の言葉で競技の存在意義を否定していたじゃないか。しかも『ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかった』って、どう見ても真逆のこと言ってますよね。真意と真逆のことが口から出るのであれば、もう人前で話すことは断念した方がよいのでは?」

民放テレビ関係者がこう話す。
「張本さんがサンデーモーニングでご意見番を務めて20年以上が経ちます。歯に衣を着せぬ発言が大きな反響を呼んできましたが、『この発言は危ない』と感じる時が多々ありました。アスリートや競技に対する叱咤激励かもしれませんが、視聴者はそう取らない。今回も張本さんは『言葉足らずで反省している』と謝罪しているが、女子ボクシングに対する一連の発言は言葉足らずで済まされる問題ではない。これまでも過激な発言で物議を醸すことが多々あった。ご意見番と持ち上げるのは良くないと思います」

張本氏の発言がネット上でニュースになる事が多い。それだけ注目度が高いという事だろう。だが批判の声が圧倒的に多いのが事実だ。今後もご意見番としてアスリート、競技団体に提言し続けるのだろうか。本人にそのつもりはなくても、誤解を生む発言は人の心を傷つける。視聴者の反応が厳しくなっていることを忘れてはいけない。(梅宮昌宗)

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