まず全体の9.5%の人に選ばれて第3位となったのは、アニメ『ふしぎの海のナディア』。1990年から1991年までNHKで放送されたアニメで、庵野氏が総監督を務めた作品。また、『エヴァ』で知られる貞本義行氏もキャラクターデザインとして参加している。SF小説『海底二万里』および『神秘の島』を原作としており、謎の宝石「ブルーウォーター」を持つ褐色肌のおてんば少女・ナディアと発明好きの少年・ジャンを中心とした冒険物語だ。放送から30年がたった今も根強い人気を持つ作品で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京会場での開催が延期中ではあるが、同作の貴重な資料が展示される『ふしぎの海のナディア』展が近日開催予定となっている。

 選んだ人からは「キャラ、メカ、声優、ストーリーすべて神」(48歳)、「ヒロインが、かわいいのに性格が悪い(というかワガママ)というのは、けっこう珍しかった」(48歳)、「ロマンがあって面白かった」(43歳)、「ストーリーの展開が比較的分かりやすく、キャラクターがそれぞれ魅力的だから」(46歳)というコメントが寄せられた。児童向けアニメでありながらも深みのある世界観で好評を得たようだ。また、同作では庵野氏お得意のメカも多数登場している。

■興収82億円超えの大ヒット作
 第2位は2016年公開の映画『シン・ゴジラ』(10.0%)。

 東宝製作のゴジラシリーズの第29作で、庵野氏は総監督と脚本を担当。同作は政治色を前面に出した働く大人たちの群像劇で、ゴジラの侵攻や混乱だけでなく、主に国家機関に携わる者たちがゴジラ沈黙のために行った職務の数々にフォーカスがあてられている。

 また、これまでの『ゴジラ』作品ではいずれも1954年の第1作でゴジラが日本に上陸したという設定は踏襲されていたが、同作は独立した世界観となっており、日本に初めて『ゴジラ』が出現したという設定となっている。

 働く大人たちに焦点をあてた『ゴジラ』は革命的で、選んだ人からは「いまの日本を風刺していて面白い」(33歳)、「リアルな世界観だったから」(39歳)、「スケールがすごかった」(42歳)、「設定や描き方がリアルで面白かったから」(40歳)という絶賛のコメントが寄せられた。映像技術の高さはもちろんのこと、登場人物たちの心情のリアルさやスケールの大きさも観客を大いに満足させたようだ。

 大ヒットした『シン・ゴジラ』に続き、庵野氏は現在実写映画『シン・ウルトラマン』を製作中で、さらに今年4月3日には『シン・仮面ライダー』を手がけることも発表されファンのどぎもを抜いた。庵野氏が解釈して描く往年の名作に早くも期待を抱くファンも多い。

■『エヴァ』に多くの人からの支持
 そして第1位に選ばれたのはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。33.0%の人から支持された。

 庵野氏の代表作ともいえる『エヴァ』は1995年から1996年にかけてテレビ東京系で放送されたアニメで、大災害「セカンドインパクト」によって人口の半数が消えた世界を舞台に、謎の敵・使徒と汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンとの戦い、そのパイロットである少年・碇シンジの葛藤を描く。

 雑誌やテレビ番組でたびたび特集が組まれるなど社会現象を巻き起こした『エヴァ』。選んだ人からは「神話を軸にしたネーミングや、従来のメカではなく巨大な人造人間という設定。人間性の細かい描写。衝撃の展開……好きなところがたくさんあります」(36歳)、「主人公の感情の起伏に共感」(45歳)、「ストーリーに深さがあるから」(36歳)、「同世代だったので印象深い」(33歳)、「伏線が多くて気になる要素が多いところ」(36歳)、「それまでのアニメと違った新しさを感じた」(43歳)というコメントが寄せられた。また、好きなキャラクターとして作品の象徴的なキャラクター・綾波レイの名前を挙げるファンも多かった。

 なお、4位以下には、ロボットアニメにスポ根の要素を含め、さまざまなアニメのパロディやオマージュが散りばめられているところも人気だったOVAアニメ『トップをねらえ!』や、津田雅美氏の少女漫画を原作としたテレビアニメ『彼氏彼女の事情』などがランクインした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6de5a2803886f93ad274e81e3f680a7cfc64387
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