「寝耳に水とはまさにこのことです」

福島県高野連の小針淳理事長は、こう言って困惑を隠せなかった。

15日、一部メディアで夏の甲子園が中止の方向で検討されていることが報じられた。甲子園球場がある兵庫県の地元紙・神戸新聞は、「夏の甲子園中止へ」との見出しで号外を出したほどだ。

コロナ禍により全国の学校が休校、オンライン授業になっており、部活動も休止状態となっているが、14日には39県で緊急事態宣言が解除。甲子園開催に向けて、光が差し込んできたとみる高校野球関係者もいた。

高野連は今夏の甲子園の開催可否について、20日に行われる運営委員会で方向性を示すことになっていた。

各都道府県は夏季大会開催に向けて準備を進め、20日の委員会の結論を固唾をのんで待っていた中で、突然の中止報道である。

前出の小針理事長は日刊ゲンダイの取材に、「高野連から開催に関する話は、これまで一度もありませんでした。今は何ともコメントのしようがない。20日の委員会の結果を受けて、動くしかない」と話せば、
大阪府高野連の伊原登理事長も「高野連からは中止に関する話は一切、聞いておりません。報道を見て、非常に驚いております。現時点では夏季大会の開催に向け、準備を進める立場に変わりありません」とコメントした。

関東地方の高野連幹部からは、「高野連からは何の話も聞いていない。一生懸命、開催に向けて準備をしているのに水を差された。中止が決まっているというなら、マスコミに話を漏らした責任は誰が取るのか!」と、怒りの声さえ挙がっている。

■高野連は火消しに躍起

中止報道を受けて高野連は全国の都道府県高野連に対し、「高野連としては一切、開催に関する発表はしておらず、まだ何も決まっていない」「20日の会議で慎重に協議する」との声明を発表するなど、火消しに奔走しているという。

中止報道に最もショックを受けているのは、夏への希望を胸に自主練習に励んできた高校球児に他ならないが、今回の一件により、高校野球界に新たな波紋を呼びそうだ。

日刊ゲンダイ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c0da90adfd9a724fde4f44401cecb03a3f668e7